野田秀樹『赤鬼』
人数 4人 男3 女1
上演時間 約80分
あらすじ
村人に疎んじられる「あの女」と頭の弱いその兄「とんび」、女につきまとう嘘つきの「水銀(ミズカネ)」が暮らしていた海辺の村に、異国の男が打ち上げられたことから物語が始まる。
言葉の通じない男を村人達は「赤鬼」と呼び、恐れ、ある時はあがめ、最後には処刑しようとする。彼と唯一話ができる「あの女」も同様に処刑されそうになる。「水銀」と「とんび」は捕らえられた二人を救い出し、赤鬼の仲間の船が待つ沖に向かって小船を漕ぎ出すが、船影はすでになく、四人は大海原を漂流するのだが……。
野田秀樹演出「赤鬼」(日本ver.) : ゑびすぶろぐより引用
こちら野田秀樹さんの作品。NODA・MAPの番外公演として行われたもので、少人数の舞台なのですが、一人で何役もこなすから、人物が目まぐるしく変わる。それを演じ分ける役者さんの実力もさながら、それで舞台を成立させてしまう野田秀樹さんの脚本と演出の力量にはもう、圧巻です。(しかも野田秀樹さん自身出演してるし…)
テーマとしては「差別」やら「共同体」やら「異文化理解」やらいろいろあります。
そもそも演劇がテーマを決めて行うものでもないと思っているので、そこらへんはどうでもいいかなとも思いますが、僕が見出したのはやっぱり「絶望」という言葉でした。
登場人物「あの女」の絶望が一体なんだったのか、それを紐解いていくことで、作品が完成されると思うんですよね。僕なりの考えはありますが、それを言い出すとキリがないので言いません! ・・・
と思ったけどちょっとだけ言うと、「絶望」って「希望」を持ってなきゃ生まれないよね…とあの女の希望ってなんだったんだろう。それも合わせて考えてみてください!!
それでは、ご一読ください!!そして自分なりのテーマを見つけて上演してください
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