別役実『象』の上演時間・人数
人数 男8 女2
上演時間 約150分
あらすじ
入院中の「病人」をその甥である「男」が訪ねてくる。「病人」はヒロシマへの原子爆弾によるヒバクシャで街頭で裸になって背中のケロイドを見せ喝采を浴びていたが、既に病状が悪化し今は入院をしているようだ。二人の会話から「男」もヒバクシャであることが明らかになる。
男:静かに死んでしまいたいとは思いませんか?
病人:思わないね。俺はむしろ、死ぬ前に殺されたいと思っている。
男:何故?
病人:知らん。情熱的に生きたいのさ。
「病人」はまた元気になってあの町でケロイドを見せたいと願っているが、「男」は静かにそのときを待つべきだと主張する。二人の生き方の違いを主軸に据えながら、「病人の妻」、「医者」、「看護婦」など二人をとりまく様々な人々の姿から、ヒバクシャの抱える問題、それをとりまく世の中の問題が垣間見えてくる。そして遂に「男」も発病し、「病人」の隣のベットへと入院することとなる。あくまでも行動的な「病人」とは対照的に静かに死を迎えたいと願う「男」。ある雨の日、ついに「病人」はあの町へ出かけることを決意するのだが・・・。
作者:別役実について
別役実さんは日本の日本の劇作家で、日本の不条理劇を確立したと言われています。
多筆と知られており、戯曲の作品数は日本で一番多いとも言われています。
2003年から2009年まで、兵庫県にあるピッコロシアターのピッコロ劇団の代表を務めていました。
特徴
別役実さんの作品の特徴は、
・「男1」「女2」などのように固有名詞を持たないことが多い
・電信柱、リアカーなどがモチーフとしてよく使われる
・不条理劇特有の話の噛み合わなさが随所に見られ、独特な設定な場合が多い。
などが挙げられます。
主な受賞歴
『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で岸田國士戯曲賞。
2008年、『やってきたゴドー』で鶴屋南北戯曲賞
など
別役実『象』の台本入手方法
別役実さんの象は、ハヤカワ演劇文庫(早川書房)より「壊れた風景」とともに書籍化されています。
別役実『象』の上演許可について
別役実さんの上演許可は、別役さんの死後、三一書房さんが代行して取り扱っているようです。(2020年3月現在)
三一書房さんの問い合わせフォームより申請するようにお願いします。
必ず、上演許可をとってから上演するようにしましょう。