永井愛 『歌わせたい男たち』
ー 国歌斉唱をめぐるお話
人数 男3人 女2人
上演時間 110分
あらすじ
売れないシャンソン歌手として過ごしてきた仲ミチルは、カタギの仕事として音楽講師を務めるようになり、初めての卒業式を迎える。ミチルはピアノが苦手な上にアガリ性だったため、自分のせいで卒業式が台無しになってしまっては大変だと早朝から音楽室にこもってピアノ伴奏の稽古をしていた。緊張が高まったせいか指が震えてめまいをおこし、コーヒーを服にこぼし倒れてしまったミチルは保健室の養護教師の按部に服を乾かしてもらい、布団を巻き付けて休んでいた。そこへ花粉症の薬をもとめて与田校長がやってくる。与田はミチルの前任者がクリスチャンを理由に国歌斉唱に反対で辞職したと告げ、ミチルに伴奏を行えるか確認し、ミチルは問題なく伴奏すると答える。倒れたときに片方のコンタクトレンズを無くしており楽譜が見えないことに気付いたミチルは、視力が近く仲の良い社会科教師の拝島のメガネを借りることを思いつくが、与田校長と按部は怪訝な顔をする。実はこの学校、昨年の卒業式で4人の教師と卒業生のほとんどが国歌斉唱で不起立をして新聞沙汰になっていた。教育委員会からの指導もあり、与田校長は今年は穏便に済ませたいと考えている。