ー「君には期待しているよ」先生。見えてますよ、嘘の音。
春陽漁介『ト音(再演版)』の上演時間・人数
人数 10人 男6 女4
上演時間(目安) 120分
初演版、再演版、再々演版まであり、それぞれかなり内容が異なっております。上演をお望みの際には、劇団5454様までお問い合わせください。
受賞歴
初演版が、新人戯曲賞最終選考にまで選ばれる。
あらすじ
高校の新聞部に所属する藤と秋生は、教師たちしか読まない校内新聞に嘆いていた。
http://5454.tokyo/history.html(劇団5454HPより引用)
そこで、内容をゴシップに変えることに。学校に蔓延する「嘘」を暴くのだ。
一方では、保健室通いの秀才長谷川が音について学ぶ。
昔流行った、固有振動数と共鳴で物体の破壊を試みる。
そして、新聞部と秀才は交わり、「嘘の破壊」が計画される。
感想・コメント
私、劇団かたかごの作演出であるいちのみやが大好きな劇団の劇団5454の作品です。
「ト音」は再演版の映像と再々版を実際に見に行きましたが、音楽のリズムとセリフがうまくマッチしていて、楽しく見れました。ラストシーンはいつも泣きます……。
内容も、ソルフェジオ周波数の話と固有振動数の話を組み合わせて、人間を変形させる音があるのではというフィクション性が、ワクワクさせられ、すぐに引き込まれました。
学校という現場で、先生からの視点、生徒からの視点それぞれの目線から見ることで登場人物の性格や考えがよりいっそう深く伝わってきます。
先生が、特定の生徒に対して、「私、あの子嫌い」という場面があります。今でこそ、問題になりそうな言葉ですが、学校現場の大変さと、師と崇めらる先生の裏の顔というか、本来の人間味がひしひしと伝わってくる場面で考えさせられました。
ー 戯曲を探す 戯曲図書館