宮藤官九郎 『鈍獣』

〜150分
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ー復讐コメディ。全てがひっくり返る!?

宮藤官九郎 『鈍獣』の上演時間・人数

人数 男 3 女3

上演時間 150分

受賞歴

第49回岸田國士戯曲賞受賞

2009年 映画化

あらすじ

小説家の凸川は、ある作品を書き上げると同時に謎の失踪を遂げる。
凸川を知る元編集者の静は、凸川が最後に目撃されたホストクラブ『スーパー・へビー』に取材へと向かった。
そこにいたのは店長の江田と、毎日顔を出すという常連客の岡本、あきらかに江田の愛人であろう順子ママ、そしてそこで働いているノラ、この4人である。中でも江田と岡本は凸川の同級生で、古くから面識はあったようだが…。
果たして、『スーパー・へビー』で、凸川の消息を掴めるのであろうか?
店と事件の関係は…?
かくして、田舎の寂れたホストクラブにて、奇妙な取り調べが幕を開ける…。

ちゅーちゅーずのブログより引用。

野田秀樹氏の選評

宮藤官九郎氏の『鈍獣』は、鈍感であるがゆえに《弱者》が、《強者》に変わっていくことを鮮やかに描ききった。天晴れである。前半部分は、ここ数十年、日本の漫画が若い日本人にもたらした、日本語の破壊を、無意識に体現している。それに限って言えば、宮藤氏に始まったことではない。ちょいと気の利いた若い奴等の会話には、漫画の噴出しの言葉と、漫画に教育された発想の数々が、飛び交っている。深夜のテレビを見れば、若い(と言っても三十代だが)お笑いタレントたちが、その突飛な発想を競い合っている。宮藤氏は、そういう危ういところとのボーダーにいる。立っている場所は危ういが、言葉の運びがまことに上手い。そして、この作品の成功は、むしろ後半部分にある。《弱者》が、繰り返し繰り返し生き返ることで、(まさしく、その生き返り方には、根拠がなくまことに漫画なのであるが)そのことで、《弱者》が、《強者》を脅かし、ついには、逆転していく。何故生き返るかといえば、その《弱者》が痛みに鈍感であるからだ。それは、今の日本の漫画の世界では、痛みが鈍感に描かれていることと無縁ではない。仮にそれが暴力的な漫画だとしても、いや、暴力的であればあるほど、「ぎぇ〜!」などという声は、鈍感な痛みの表現でしかない。宮藤氏は、そうした《鈍感な痛み》を共有する世代に生まれ育ち、それと戯れそれを描きながら、その鈍感な弱者を告発している。強者を告発するだけであれば、凡作に終わったであろうが、弱者を告発したところに、この作品の秀逸さがある。これまた、応援します。

第49回岸田國士戯曲賞選評(2005年) – 白水社

鈍獣

鈍獣

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